2019年度マザーズ市場に上場した64社の上場前直前期の増収率を見てみよう。
〇マザーズ市場に上場した企業の直前期増収率の中央値は、31.6%。
マザーズ市場は上場形式基準に「利益の額」を定めていない。
しかし、上場実質審査基準の項目「事業計画の合理性」の観点で、”当該事業計画を遂行するために必要な事業基盤を整備していること又は整備する合理的な見込みのあること”が主幹事証券会社の審査において入念に検討される。
マザーズ市場に上場した64社の直前期の増収率は、62社が増収率プラスの増収であり、2社のみがマイナスの減収であった。減収の2社のうちの1社は前年度比▲2.8%の微減であり、もう1社は前年度比▲33.3%の創薬開発バイオ企業である。
このデータ結果から、直前期においては増収基調にあることが上場の必要条件であることを、うかがい知ることができる。なお、 中央値は増収率ランキング32位と33位の企業の間に位置する31.6%であった。