2020年度IPO会社の女性役員登用状況を、監査役会会社、監査等委員会会社の組織形態別及び上場市場別に比較して見てみよう。
〇2020年度に新規上場した会社93社のうち、女性役員を1名以上でも登用している会社は39社(全体の42%)、監査等委員会設置会社で増加傾向を示す。
当年度(2020年度)新規上場会社93社、そのうち女性役員が1名以上いる会社39社(構成比率41.9%)であった。
前年度(2019年度)新規上場会社86社、そのうち女性役員が1名以上いる会社36社(構成比率41.9%)であったから、当年度は前年度と比べて社数3社増加(IPO社数は7社増加)、構成比率41.9%の同率という結果になった。
つまり、「当年度は前年度と比べIPO社数が7社増えたので、女性役員を1名以上でも登用している会社も3社増え、構成比では41.9%と変化が無かった」ということで、「最近2年間の新規に上場した会社のうち58%の会社は、女性役員がいない」ということになる。
【監査役会設置会社の状況】
当年度の監査役会設置会社の女性役員が1名以上いる会社33社は、前年度29社と比較して4社増加した。しかし、当年度監査役会設置会社77社のうち女性役員が1名以上いる会社33社の占める割合は42.9%、前年度の監査役会設置会社66社のうち女性役員1名以上いる会社数29社の占める割合は43.9%であり、当年度は前年度と比べ構成比で1ポイント減少した。
つまり、「監査役会設置会社においては、当年度、女性役員登用会社が減少した」。
【監査等委委員会設置会社の状況】
当年度の監査等委員会設置会社の女性役員が1名以上いる会社6社は、前年度7社と比較して1社減少した。しかし、当年度監査役会設置会社16社のうち女性役員が1名以上いる会社6社の占める割合は37.5%、前年度の監査等委員会設置会社20社のうち女性役員1名以上いる会社数7社の占める割合は35.0%であり、当年度は前年度と比べ構成比で2.5ポイント増加した。
これは、「監査等委員会設置会社においては、当年度は前年度と比べIPO社数が4社減少したが、女性役員を1名以上でも登用している会社の減少は1社にとどまり、構成比では2.5ポイント増加した」ということになる。
つまり、「監査等委員会設置会社においては、当年度、女性役員登用会社は増加した」。