(51)直近2022年8月(1か月間)の東証上場企業の自己株式取得枠状況は?

コラム

直近2022年8月(1か月間)の東証上場企業(プライム、スタンダード、グロース市場)の自己株式取得枠の状況について調べてみた。

当年度8月1か月間の自己株式取得枠金額は、9,601億円(億円未満切捨て、上限金額、以下同じ)、取得枠金額を設定した企業数は90社。

(1)8月の自己株式取得枠の設定金額は、9,601億円、その市場別内訳は次のようであった

   プライム市場(9,528億円)、スタンダード市場(64億円)、グロース市場(8億円)

(2)8月の自己株式取得枠の設定社数(決議日ベース)は、90社、その市場別内訳は次のようであった。

   プライム市場(60社)、スタンダード市場(25社)、グロース市場(5社)

(3)自己株式取得枠の設定方法は、89社が「定款授権による取締役会決議」よるもので、「株主総会決議」によるものはグロース市場の1社であった。

 定款授権89社の内訳は(A)会社法第165条2項に基づくもの」69社、(B)会社法第459条1項に基づくもの」20社で、その市場別内訳は次のようであった。

プライム市場(60社): (A)会社法第165条2項による取締役会決議45社、(B)会社法第459条1項による取締役会決議15社
スタンダード市場(25社):(A)会社法第165条2項による取締役会決議20社、(B)会社法第459条1項による取締役会決議 5社
グロース市場(4社) : (A)会社法第165条2項による取締役会決議 4社、 (B)会社法第459条1項による取締役会決議 0社

(4)自己株式取得枠の「株主総会決議」による設定は、グロース市場の1社であった。

(5)「自己株式取得の目的」は多い順に、次の通り(一会社が重複して目的を記載しているケース多い)。

   ①機動的資本政策の遂行(62社)、②資本効率の向上(61社)、③株主へ利益還元(56社)

(6)「公開買付」によるものは2社であった。