(24)上半期(2020年度1月~6月)のIPO審査に新型コロナはどのような影響を与えたか?

コラム

上半期(2020年度1月~6月)のIPO審査に新型コロナはどのような影響を与えたか見てみよう。

〇当上半期(1月~6月)IPO会社34社のうち、約82%相当の28社が「期越え上場」と「12か月上場」であり、新型コロナが上場審査に大きな影響を与えた。

 「申請年度当初から数えて上場日までの月数」は、審査が順調に進めば月数が小さくなるが、申請年度当初から数えて最大15か月までの期間となっている。16か月以上はタイムアウトで審査打ち切り終了、新事業年度の決算数値での再申請となる。

 「期越え上場」とは申請年度当初から数えて1年を経過し、次の決算期に入った13か月~15か月の期間に上場することをいう。つまり「期越え上場」が多いということは、上場審査が難航したということを意味している。「12か月上場」とは申請年度当初から数えて1年を経過する前の12か月目に上場することで、標準日程の9か月から3か月遅れて上場したことになる。

 当上半期おいて、【「期越え上場」+「12か月上場」】は28社(構成比率82.4%)であった。特に当上半期の構成比率82.4%は、過去の2年間の同比率(前上半期55.3%、前々上半期77.8%)を大きく上回り、新型コロナウイルスの影響が大きかったことを物語っている。